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木造住宅の音楽室(楽器と声楽)

ピアノなどの楽器と声楽(合唱用)のための木造防音室のご相談をお受けしています。
ポイントは出来る限り室内を狭くしないで、ご予算に収めることです。

新築住宅に併設するため、計画の段階から新築業者が先行して防音施工をできるように配慮します。人の声は通常、250Hz~1500Hzの周波数帯を重点的に対策しておけば大丈夫です。
ただし、複数の楽器とのアンサンブルに対応できるように、グランドピアノが夜9時頃まで問題なく演奏できる遮音レベルを目指します。

音楽教室として多目的に演奏・合唱できるように、家具の配置などによる音響的なチューニングを想定して検討します。

防音工事としては、壁の内部の吸音材充填、使用する製品の選択が重要です。上記の周波数帯はロックウールやグラスウール、ポリエチレンウール(PETウール)が得意とする周波数ですから、コスト軽減や空間(空洞部分など)を有効活用するためにも、欠かすことができません。

あとは吸音材や合板・石膏ボードなどが苦手とする周波数帯を補完する遮音材・制振材を併用してコンパクトな防音構造を構築します。同時に床や壁の下地を補強します。

この現場は新築業者が対応できない部分だけ、専属施工チームが担当することを想定しています。

ピアノ教室の音響工夫と防音効果

私の従姉が東京でピアノ教室を運営していますが、教室の防音工事は特段していません。普通の木造戸建住宅ですが、敷地が都内の住宅地としては広い方なので、遮音対策よりも音響上の工夫に重点を置いています。

隣家側の壁には窓がないので壁面に収納家具や吸音性のあるソファを並べています。室内には木製家具を多めに配置して、音響を落ち着かせています。

窓には生地の厚いカーテンを取り付け、床に厚めの絨毯を敷いて、そのうえに練習用のグランドピアノを置いています。
*防音カーテンは値段が高いだけで殆ど効果はないので不要です。

これだけでも音漏れは少なくなり、敷物や家具などの効果が十分体感できます。
現在、もう少し遅い時間帯に練習をしたいということで相談を受けていますが、手作りの吸音パネルを壁に立てかけて、吸音する計画です。

このように、比較的隣家が離れている環境であれば、DIYによる防音対策でなんとかできる場合があります。
また、防音工事も最低限ですみます。

ピアノ教室の防音対策をDIYで実施

最近、木造住宅やマンションでピアノなど音楽教室を始めるため、DIYで防音対策を行う人が増えてきました。
それはピアノや楽譜、家具などを購入するため、自己資金が不足するという理由と、高額な防音室を施工しても失敗する事例がネット上に出てきたためです。

私のほうへも失敗したあとに相談される場合と最初からDIYで対策を行うため防音材購入の相談という2つのタイプの依頼があります。

内容に応じて有料相談としていますが、比較的簡単に説明できる場合は無料相談をお受けすることがあります。

いずれにせよ、床の防音対策ならばDIYで十分対応できます。天井は無理ですが、壁については吸音材を活用したり、DIYで吸音・音響パネルを手作りして壁に立てかけるなど漏れる音の軽減や反射音を抑えることができます。

たとえば木造住宅においては、近所の家が5メートル以上離れていれば、床よりも壁の防音対策に重点を置いた方が効果的です。近所の家が近い場合は床の振動音など低周波音を抑えるため床の対策も重要です。
周辺環境に応じてメリハリをつけて検討することが、費用対効果を高めることになります。

DIYの良いところは、段階的に音響・防音効果を確かめながら、自分で調整できることです。
どうしても自分でできない所だけ、プロの施工に任せるというミックス型の方法もあります。
→参考:防音材の活用

グランドピアノとマリンバの防音室

現在、グランドピアノとマリンバのための木造防音室の準備中です。
ピアノ教室とマリンバのワークスペースは別室で隣り合わせに計画しています。コストを抑えるため、ピアノ防音室とマリンバ防音室の界壁は音漏れを許容する前提で施工します。

主な目的は楽器演奏がご近所に迷惑にならないように、夜間でも練習できる遮音レベルと良好な音環境を実現することです。

面積が広い(物入れを含めて約20帖)ため、内部の界壁は薄型の防音として、外壁側を手厚く「防音壁」として構築するなど、予算を考慮してメリハリをつけます。

内装仕上げは床が合板フローリング、天井、壁は好みのクロスで仕上げます。音楽室のような音響化粧板は使用せずに音響調整ができて、気軽にクロスの張り替えができる仕様が前提です。
そのため、木質系シージングボード、柔らかい合板を使用して表層を構成します。

防音室の着工は、新築工事が遅れている関係で5月になりそうです。

音響・防音設計の自由度や費用対効果の鍵を握るのが防音材の性能と木材です。これらをいかにしてコンパクトに効果的に複合化させるかが技術者の手腕です。

薄い防音構造とピアノ教室

昨年の12月下旬より続いている木造住宅に併設するピアノ防音室(ピアノ教室も兼用)の工事ですが、今月の下旬完成を目標にしています。

実際、具体的に床や壁などを確認しながら工事を進めると、床鳴りや電気配線など気になる個所が所々出てきて予定外の補修が発生しました。
なんとか工夫して当初の見積金額を超過しないように調整しています。防音材は若干不足して、追加発注しました。(送料はサービスで私が負担しました)

さて、この現場の隣家や周辺道路状況などを勘案すると、防音壁を厚くする必要性はなく、音響を考慮しながら、仕上げ材や下地の補強に留意して、薄い音響・防音施工で足りると判断できました。
おかげで多少予算が厳しいと考えられましたが、節約できました。

これも木造の在来工法の住宅であるため、特長を生かしながらコンパクトに対応できるという我々の設計施工とマッチしました。薄い防音施工は、狭い部屋には重要であり、費用対効果を考えても有効な仕様です。
ピアノ教室は楽譜などの資料棚や生徒さんがくつろぎながら座るスペースも必要です。グランドピアノを設置する自由度もあったほうが良いです。